Secret Agent ~騎士学園の忍びなるもの~ 攻略完了
ゲームデータ
タイトル:Secret Agent ~騎士学園の忍びなるもの~
発売元:ensemble
発売日:2020/5/29
ヒロイン:4
END:4+1
CG:81
MUSIC:27
SCENE:18
属性:学園モノ・お嬢様モノ
インストール容量:3.57GB
備考:なし
ストーリー
世の中には忍び、と呼ばれる者たちがいる。
古来より国家の陰に潜み、国防を担う彼ら。
御影迅もまた、忍びの末裔に名を連ねる者。
秘密諜報部員の母の命を受け、最先端技術を誇る学園都市、閃来学園都市にある冬華学園へと潜入する。
潜入目的は、"蝙蝠"の調査。
蝙蝠、というのは誰が名付けたか不明な通称で、最近世間を騒がせている謎の人物である。
社会的地位のある人物の隠された罪を大衆の目につくところで様々な手段を用いて暴露し、世間に裁かせることで、
インターネット上の一部からは正義の味方と呼ばれている。
その行為は、陰より悪を挫く迅たちが普段行っているものと殆ど相違はない。
ただ、"蝙蝠"によって秩序なく行われる同様の行為を取り締まるべく迅が潜入することになったのだ。
その蝙蝠が唯一残していった手掛かりが、冬華学園の「騎士」と呼ばれる者たちが持つバッジであった。
果たして迅は、蝙蝠の正体をつかむことが出来るのだろうか────。
(左から雨ノ森ゆい、白鐘神楽、カノン・メイフィールド、蓮城寺舞)

感想
これ、お嬢様モノですよね?
ストーリーについて。
舞台設定はよかった。
最近の時事ネタを踏襲したかのような、ネット上で有力者を社会的制裁に追い込む大衆。
そして大衆を裁判官に引き立てる蝙蝠の手口。
最近のトレンドに乗っていて、面白かった。
しかし。
共通ルートでエネルギーが切れたかensemble。
義賊的行為を行う蝙蝠を調査する主人公迅。
共通ルートの終盤で、蝙蝠と思しき人物を見事発見、確保することに成功する。
しかし残念ながらそれは本物の蝙蝠ではなかったため、捜査は振り出しに戻る、、、というところで個別への分岐に入るのだが。
ここから落胆させられる。
何故なら、本編中では結果蝙蝠の正体は暴かれないから。
そもそも主題が解決しないのである。
しかも、その正体はまさかの全ヒロイン攻略後の後日談のようなミニストーリーで登場して終わる。
びっくりである。
もっとびっくりなのが蝙蝠の事件を起こした動機だ。
たまにネット上で盛り上がる某探偵マンガに登場する、動機がちょっと狂っている系の犯人、あれに近い。
これならよほど、正義心に駆られた義士のような人物が蝙蝠であったほうが面白かったのではないだろうか。
というか犯人はわりと分かりやすい。
共通ルートプレイしているくらいで、既に何となく気付いてしまうので、もし意外な犯人、というようなものを期待していると大コケするので要注意。
さて個別。
カノン、神楽、舞、ゆいの何れのヒロインルートでも、蝙蝠が起こした(というより誘導した)ような事件が起きる。
4人の中で一番良かったのはゆいのルート。
ゆいとゆいの姉・りせによって生み出された人工知能・ハート。生まれたばかりで何もわからないハートに、情感を与えるべく迅も含めた3人で成長させていくストーリー。
ゆいとりせの確執は然程大した話ではないと思ったが、ゆいルートで起こる事件と、その結末にはある程度合理性があった。
AIに与える情報が偏っていると、これによって教育されたAIも偏った思想を持つというのはごく最近のAIでも言われているし、納得もできる。
原因と結果が明快で、結末もあり得ないEDではなかったのでルートとしての完成度は比較的高いと思う。
舞台設定によく合っているし。
個人的に好きなのは蓮城寺舞。
特権が多く、その弊害が生まれている騎士団制度を改革しようとした舞が、それをよく思わない他の騎士団員によって団長の立場を追われるというものだ。
成程、共通ルートでも騎士団員が一般学生に対して強い態度に出ていたり、いろいろと優遇されているような描写はされていたので理解できる。
劇中で語られたが、騎士団制度を維持するのに冬華学園の学費がトンデモになっているらしい(500万円/年)。
天下に名高い米・ハーバード大が大体年間700万円程度なので、あながちない数字ではない(ちなみに左記は基本的な学費であり実際はかなり遇された奨学金制度がある)。
で、舞の改革に反対した者の言い分としては「騎士団員制度はそのままでは在籍が困難な学生の救済措置である」というものだ。
騎士団特権の中には学費の免除やらも含まれているらしく、家庭の事情で苦しくなったものを救済する目的としてもあるらしい。
ええ…である。
初めから騎士団がそういう人を目的に加入させているのであればいざ知らず、とても劇中でそんな描写はなく。(団長の舞が財閥の娘なのだからさもありなん)
しかも出張ってくるのが学生でないというのがもはや意味不明。
学生の自治権を拡大して任せているといいつつ、学校側の介入方法が雑・セコすぎてなんとも言えない。
でも舞はかわいい。
一度は団を追われ、復活手段を見つけたものの介入によってその道を絶たれ、より困難な道を目指すために迅と特訓しながら頑張る姿は最高だった。
お姉さんポジでありながらも、どっちかというと支えあう感じが如実に出ていたルートだったので個人的には好き。
(ストーリーの中身には突っ込みどころ満載でしたが)
将来性もあって、一番未来が描けそうなルートだった。
神楽はヴァイスという二つ名を持ち、とにかく勝ち続けることを家より求められている状態。
一番普通の女の子。
他のヒロインのような致命的な事態は起こらないが、迅としっかり喧嘩したのは神楽だけ。
耳年増なところは別ルートでも描写されているので、もう少し回想シーンはエロエロしていてよかったのですが。
(ほかのヒロインと比べると、多少力は入っているような気もしますが)
ある意味チョロイン。
遊園地シーンの初々しさは見ていて恥ずかしくなるし、甘えまくり。
公式サイトの一枚絵が一番かわいいかもしれない。
カノン。
かわいそうな子。
忍者要素必要だったか甚だ疑問。
ヒロインルートは、ある種王道のお嬢様展開だったので寧ろ序盤お嬢様要素消してた分が効いてる感じ。
カノンルートは迅にイライラするので何とも微妙。
冬華学園の中で一般学生と騎士団員の対立が激化するなかで、対立を収束させるべく一般学生の集まり(=革命軍と自称)の代表にカノンを立たせ、野放図な状態にならないようにする作戦。
作戦としては合理的で、騎士団の舞も革命軍のカノンも納得して始まったが、迅が煮え切らない。
最初にカノンの背中を押して革命軍の頭に立たせておいて、疲労をためるカノンを見ながら心配だと嘯く。
予想ができていないのなら稚拙だし、予想できていたなら大きく構えておけと言いたいくらい。
そして上記のお嬢様展開によって迅が未熟さを思い知らされる。
序盤のニンジャニンジャでアホの娘っぽさが出ていたが、革命軍の頭をやったり、厳しい父親と争うなど芯の強さがあっていいヒロイン。
本作を絶望的に追い込んでるのは間違いなく主人公の迅。
凄い任務でやってきたと思えば、カノンに正体がほぼバレし、他のルートでもやらかしかける迅が一番不安要素だった。
ヒロインが窮地に追い込まれる原因が大体迅。
泣きそう。
そのほかにも序盤登場したアナト(AI)が中盤以降殆ど登場しなかったりとか、蝙蝠がどうやって事件を起こしたのかがあまり判然としないとか、お母さんがヒロインじゃないとか、モモカルートがないとか、いろいろ言いたいことはありますが、ちょっと残念。
アルフレッド君はとてもいいキャラだっただけに、残念感が強い。
総評
モモカに癒され、ヒロインがかわいいと思ったら迅にイライラしながらプレイするといいと思います。
最後までやり遂げられたのは舞さんのおかげ。
ストーリー推しの方のプレイはあまりお勧めできません。
ensembleさんにはもっと格好いい主人公を生み出してほしい。
紹介
げっちゅ屋のほうが個人的に特典よかった
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