さくらの雲*スカアレットの恋 感想
年の瀬ですね。
私は先週末で無事(?)仕事納めを果たしました。
仕事始めを無事に迎えられる気はしませんが←
ゲームデータ
タイトル:さくらの雲*スカアレットの恋
発売元:きゃべつそふと
発売日:2020/9/25
ヒロイン:4
END:4
CG:95
MUSIC:26
SCENE:17
属性:SF・ミステリー・大正浪漫・時代考証
インストール容量:4.13GB
備考:なし
ストーリー
西暦2020年。
青年・風見司は桜の木の下で日向ぼっこをしていたところ、突然視界が歪み、意識を失ってしまう。
目が覚めると、傍に女性がいることに気付く。
司が持っていた詩集を読んだ女性は、その本の装丁や詩の発表年の誤植について司に問いかける。
「なぜ、今から8年後の作品が掲載されているのか」
その詩は、(1928年発表)梶井基次郎作:櫻の樹の下にはであった。
冗談にもならない会話で、自分が100年前の時代、1920年にタイムスリップしたことを知る司。
元の時間に戻る方法は「歪み」を正すこと───。
そう告げた、謎の少女:アララギの言葉を信じ、司がタイムスリップして最初に出会った女性探偵:所長と共に、1920年の東京を掛け巡りながら、奇妙な事件の謎を解くことになるのだった。
(左からメリッサ、蓮、所長、遠子)

感想
ストーリー的には今年一番かもしれない。
やられた。やられましたね。ただの大正世界を舞台にしたラブコメだと思ってたらこれだよ。
正直意表を突かれたところが多く、久々に感動したのは望外の幸運でした。
後述しますが、本作の良かった点は大きく2点。
①キャラクターの掘り下げが巧妙
②モデルとなった時代の考証が充実した世界観
ストーリーについて。
ストーリーは一本道。
まず共通ルートがあって、途中でルートが途切れるハメになってしまいそこから一人ずつヒロインを攻略していく形。
順番は共通→遠子→蓮→メリッサ→所長となっており、後半二人のストーリーに重点が置かれているようである。
この順番には理があると思う。共通ルートの衝撃の終盤を見た後に、その場の謎を明かす遠子√はわかる。
蓮√は緩衝材な感じがあります。独立したストーリーですね。
メリッサ√では、いよいよミステリーらしく舞台が整っていき、これまでは知人・友人的ポジションだったサブキャラ達との間で疑心暗鬼になる。ミステリートレイン編はなかなか興味深いですね。電車での事件といえばオリエント急行ですが、これは1934年発売なので少し時期がずれてくる感じはあります。
そして最後の所長√。全ての謎が明かされ、司は未来に帰る。
自分の衝撃が最も大きかったのは、所長√における司君ネタバレ。
確かによくよく振り返ると、共通ルートでそんな挙動してたけれども、ちょっと歴史とミステリーに詳しいだけの只の青年だと完全に勘違いしていました。いやはやまさか。
加藤大尉のネタバレよりよっぽどビックリしたので、これはプレイしてみてのお楽しみです。
最後の締め方は、元号変化期のこの時期でないとインパクトが少なくなりそうなので、ネタとしての時勢もすばらしかったかと思います。
もう一つ特徴としては、時代考証が割と行われているところで、モブキャラの後藤新平や千里眼事件など、いわゆる近代史における明治末期~大正期をベースにしたネタが多く取り入れられているところも面白いポイントだと思います。
百貨店が土足禁止だったり。(百貨店が土足OKになるのは大正末期からのようです)
ちなみに劇中でも登場する地熱発電、これも大正末期に東京電燈株式会社が日本初で実現しており、もっと言えば別府あたりで太刀川平治博士が発電に成功しています。
厳密な時代考証マニアからすると物言いがつくのかもしれませんが、ただの着色料としての大正ロマンでなく正しく世界観として大正時代を投影しているのが本作の良い特徴ですね。
キャラクターについて。
キャラクターがかわいいのはどの作品もそうなのですが、人間の多面性を感じられるようなキャラクターデザインが魅力度を引き上げている。
主人公の司しかり、一面ではただのご令嬢である遠子、従者メリッサもそうですが、サブキャラクターとして登場する柳楽刑事、櫻井鉄道員や博物館の中森館長まで、誰もが癖のある人物であることが面白い。
最も裏表がないのは所長やサブキャラの成田氏くらいなものではないでしょうか。
そういう意味では蓮も個別√に入ったら豹変(笑)するので、やっぱり時代が動く時の人物って一筋縄ではいかない人物ばかりですね。
私が一番大好きなのはメリッサちゃんです。次点は遠子。制服がかわいすぎてイケません。
所長はヒロインというか主人公の系譜ですね。
システム面について。
ストーリーが事実上一本道なので、途中で戻ったりできないところがミソです。
そういう意味ではプレイする時はタイミングを見てセーブデータを作っていかないと、誰の√分岐から再プレイしようというのが後々難しくなるような気がします。
総評
正直面白かったので、かなり評価高いです。
大正ロマンに浸りたい人には特にオススメかと。
かつ、令和を数え始めたこのタイミングだからこそプレイする時期として適切かもしれません。
ただ、エロさは期待してはいけない。
紹介
Amazon版
DMM版
さくらの雲*スカアレットの恋
私は先週末で無事(?)仕事納めを果たしました。
仕事始めを無事に迎えられる気はしませんが←
ゲームデータ
タイトル:さくらの雲*スカアレットの恋
発売元:きゃべつそふと
発売日:2020/9/25
ヒロイン:4
END:4
CG:95
MUSIC:26
SCENE:17
属性:SF・ミステリー・大正浪漫・時代考証
インストール容量:4.13GB
備考:なし
ストーリー
西暦2020年。
青年・風見司は桜の木の下で日向ぼっこをしていたところ、突然視界が歪み、意識を失ってしまう。
目が覚めると、傍に女性がいることに気付く。
司が持っていた詩集を読んだ女性は、その本の装丁や詩の発表年の誤植について司に問いかける。
「なぜ、今から8年後の作品が掲載されているのか」
その詩は、(1928年発表)梶井基次郎作:櫻の樹の下にはであった。
冗談にもならない会話で、自分が100年前の時代、1920年にタイムスリップしたことを知る司。
元の時間に戻る方法は「歪み」を正すこと───。
そう告げた、謎の少女:アララギの言葉を信じ、司がタイムスリップして最初に出会った女性探偵:所長と共に、1920年の東京を掛け巡りながら、奇妙な事件の謎を解くことになるのだった。
(左からメリッサ、蓮、所長、遠子)

感想
ストーリー的には今年一番かもしれない。
やられた。やられましたね。ただの大正世界を舞台にしたラブコメだと思ってたらこれだよ。
正直意表を突かれたところが多く、久々に感動したのは望外の幸運でした。
後述しますが、本作の良かった点は大きく2点。
①キャラクターの掘り下げが巧妙
②モデルとなった時代の考証が充実した世界観
ストーリーについて。
ストーリーは一本道。
まず共通ルートがあって、途中でルートが途切れるハメになってしまいそこから一人ずつヒロインを攻略していく形。
順番は共通→遠子→蓮→メリッサ→所長となっており、後半二人のストーリーに重点が置かれているようである。
この順番には理があると思う。共通ルートの衝撃の終盤を見た後に、その場の謎を明かす遠子√はわかる。
蓮√は緩衝材な感じがあります。独立したストーリーですね。
メリッサ√では、いよいよミステリーらしく舞台が整っていき、これまでは知人・友人的ポジションだったサブキャラ達との間で疑心暗鬼になる。ミステリートレイン編はなかなか興味深いですね。電車での事件といえばオリエント急行ですが、これは1934年発売なので少し時期がずれてくる感じはあります。
そして最後の所長√。全ての謎が明かされ、司は未来に帰る。
自分の衝撃が最も大きかったのは、所長√における司君ネタバレ。
確かによくよく振り返ると、共通ルートでそんな挙動してたけれども、ちょっと歴史とミステリーに詳しいだけの只の青年だと完全に勘違いしていました。いやはやまさか。
加藤大尉のネタバレよりよっぽどビックリしたので、これはプレイしてみてのお楽しみです。
最後の締め方は、元号変化期のこの時期でないとインパクトが少なくなりそうなので、ネタとしての時勢もすばらしかったかと思います。
もう一つ特徴としては、時代考証が割と行われているところで、モブキャラの後藤新平や千里眼事件など、いわゆる近代史における明治末期~大正期をベースにしたネタが多く取り入れられているところも面白いポイントだと思います。
百貨店が土足禁止だったり。(百貨店が土足OKになるのは大正末期からのようです)
ちなみに劇中でも登場する地熱発電、これも大正末期に東京電燈株式会社が日本初で実現しており、もっと言えば別府あたりで太刀川平治博士が発電に成功しています。
厳密な時代考証マニアからすると物言いがつくのかもしれませんが、ただの着色料としての大正ロマンでなく正しく世界観として大正時代を投影しているのが本作の良い特徴ですね。
キャラクターについて。
キャラクターがかわいいのはどの作品もそうなのですが、人間の多面性を感じられるようなキャラクターデザインが魅力度を引き上げている。
主人公の司しかり、一面ではただのご令嬢である遠子、従者メリッサもそうですが、サブキャラクターとして登場する柳楽刑事、櫻井鉄道員や博物館の中森館長まで、誰もが癖のある人物であることが面白い。
最も裏表がないのは所長やサブキャラの成田氏くらいなものではないでしょうか。
そういう意味では蓮も個別√に入ったら豹変(笑)するので、やっぱり時代が動く時の人物って一筋縄ではいかない人物ばかりですね。
私が一番大好きなのはメリッサちゃんです。次点は遠子。制服がかわいすぎてイケません。
所長はヒロインというか主人公の系譜ですね。
システム面について。
ストーリーが事実上一本道なので、途中で戻ったりできないところがミソです。
そういう意味ではプレイする時はタイミングを見てセーブデータを作っていかないと、誰の√分岐から再プレイしようというのが後々難しくなるような気がします。
総評
正直面白かったので、かなり評価高いです。
大正ロマンに浸りたい人には特にオススメかと。
かつ、令和を数え始めたこのタイミングだからこそプレイする時期として適切かもしれません。
ただ、エロさは期待してはいけない。
紹介
Amazon版
DMM版

8,800円
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